佐々木 絵理さん
【これからの展望を聞かせてください】
自分の仕事や地域との関わりの中で目標にしてるのが、「地域と世代をつなぐコーディネート」。色んな人との関わりの中で、それぞれの良い所を見つけて、引き出して、繋いでいきたい。自分が相手とFace to Faceで関わって話しする中で、人それぞれの良さ、心に潜んでいる深い部分・想いっていうのも理解した上で、化学変化が起きるように繋げていきたいのが私のやりたいところ。その地域や人が輝ける、関わった人が主役で生き生きと地域で活動できる、自ら動きだせるような、そんなお手伝いができれば。
だから人といっぱい話したくて、休みの日とかもやっぱり外に出て歩いて、いろんな地域を見て、感じて、出会って、話して。ここの地域の良さはこうだとか、この人の強みとかはこうだってのを体感して、仲間を作りながら、それぞれの強みを生かしながら、それをつないでいくようなところを、今はやりながら勉強してる感じかな。それをほんとに自分のなかで深めていきたいなって。
こんな感じかなぁ。だから、私の中で実は公務員って職種は最終ゴールじゃなくて、もしかしたら通過点かもしれないし、そういうつもりで地域と向き合って、自分が関わる地域のため、青森を元気にするために自分ができること、自分の強み、相手の強みを生かしながら取り組めることを実践し続けたいし、生涯でやりたい。
【最後に、佐々木さんから若者や学生に一言おねがいします。】
「意志ある者に道あり」。この言葉が一番好きで。目標とかなくても、まずは、どんどんチャレンジしてみること。挑戦していけばその先に自分のやりたいことっていうのも見つかってくるし。私自身、元々意志がなかった人間だったから、反面教師じゃないけど、意志をもつ、自分の中のブレない芯を持つことで道って必ず拓かれるって実感したからさ。それを皆さんにも感じて欲しいし、それぞれの道を切り拓いていって欲しいです。
W:ありがとうございました。


W:なるほど。そういった活動をして来られたんですね。
【次に、今の仕事の内容みたいなことをお聞きしたいです。】
今は学生の時に関わっていた町会、町内会を対象にしたお仕事。ちなみに町内会とか分かるかな?子供会とかさ、ちっちゃいときに参加したこととかあるんじゃ ないかと思うけど、そういう地域の昔ながらのコミュニティの支援みたいなのをやってる。いま高齢化が進んでいるから、お年寄りとかも多くなってきてそうい うコミュニティを今まで進めてきた人たちもだんだんいなくなってきたりだとか、そういうコミュニティに入っていく若い世代もいなくなってきちゃって、だん だん元気がなくなってきている。そういうところの支援、活性化とか。
W 町内会は、私のところにもあったんですが、してたのはごみの回収とかそういうのしか知らなくって。だから町内会を活性化させるっていうイメージがあまり浮かばないんですけど…。
うんうん、結局さ町内会っていうのはごみの管理もそうだし、そこらへんにある街灯とか、そこに住む地域住民の身近な課題を解決するためにある、住民に一番 身近な組織で。町内会のことをあまりよく知らないことも一つの課題だし、それ以外にも町内会ひとつとっても課題がたくさんあるから、一言でわかりやすく説 明するのが難しいんだけど、まずは行政と地域が歩み寄って互いに知恵を出し合う。それぞれの立場や役割を理解しながら、地域の課題解決に向けて一緒にやっ てみる。その中で信頼関係が生まれたり、新たな動きが生まれたり、そうやって少しずつ、地域って変わっていくんだろうし、そういうことが活性化の一つで あったり、大切なんじゃないかなって思う。
W ふむふむ。仕事は土日休みですか?
土日は休みだけど、基本どっかに出てる。この前は山形に行ってきたよ。
W 何をしに行かれたんですか?
東北オフサイトミーティングって、東北を中心とした自治体職員の自主勉強会みたいなのがあって。この間は会場300人くらいで全国から元気な自治体の職員 さんが手弁当で集まってきて、事例発表を聞いたり、交流したりとか。北は北海道、南は九州とかからも集まってたから、そういうアツい同業者の方達と話し て、つながって、次の自分の仕事や色んな活動に活かしてって感じかな。
基本的に青森だからできないことってないと思う、私。地方だから出来ないことってなくて、やる方法を考えて、やろうと思えばできるから。「やるかやらないか」、むしろ、「やるか、絶対やるか」。やっちゃえば、とりあえずできると思う。やっぱ、自分が動けば、周りって変わるんだって。 だから例えば弘前にいても常にアンテナはって自分が動いて県外に出て、いろんな人と出会ってそこで信頼関係を築けば、相手には自分のことや自分の住む地域 のこと知ってもらえるし、そこで新たな広がりも生まれる。だからやっぱり、自分が活動していけば、フィールドっていうのはもしかしたらさ、全国だけじゃな くて、それが世界につながるかもしれないし。だから、そこの場所にいるから出来ないってことは本当にないと思う。
逆に今自分が与えられてる場所で自分は何 ができるかが大切。例えば、首都圏のほうって、いっぱい情報あるし色々やってる人いるから、情報が集まってるのが当たり前、出来るのが当たり前だと思う。 だったら逆にそれを地方でやっちゃったらかっこよくない?しかも、地方だったらやってる人少ないから、「あぁ、すごいね!」って、目立つよね。いろんな人が集まってくる。それ出来たらかっこいいじゃん。
W かっこいい!確かに、目立つ。それは、高校生大学生にも言えることですかね?
うん。誰にでも言えることだよ。だから、私はほんとに与えられた環境のせいにはしたくないので、そこは自分で変える、むしろ自分が変わるとしか思ってない。だからみんなもそのへんの意識でやると、めっちゃくちゃ楽しい大学生活が送れると思う。
W そうかもしれないですね。高校生大学生でも、くすぶってる人はいると思うんですよ。「青森だし…」って理由をつけたり、関東に行こうとしたりして。
そうなんだよ。多分さ、やり方がわからないだけであって、東京でやってること見て、「あ、これいいな」って思って自分でもできそうなことを青森に持ってき て行動できれば、青森でも、地方でも出来ちゃうと思う。基本的にやれてないのは、まずはやり方を知らないというのが大きいんじゃないかなと私は思ってい て。まずは調べてみて、いいな、と思ったのはパクればいいんだって、全部。徹底的にパクる。「あ、これいいな」とか「青森でやったら面白そう」とか、自分 がエネルギーもって、「あ、これやりたい!」って思ったら、その熱を冷ます前にとりあえず行動する、みたいな。もちろんどうすればそれができるのかは考えるけど、初めから失敗とかは考えずにとりあえずすぐ行動する。走りながら考える、みたいな(笑)
W なんかやっぱり市役所の職員さんっていうと、どうしても役人さんみたいなイメージが強くて、お役所仕事みたいな。あまり佐々木さんのイメージとそぐわないところがあるんですけど…。
たぶん一般的な公務員のイメージって、めっちゃ堅そうとか、そういうのだと思うんだけど。じゃあなんで自分公務員になったのかっていうと、そもそも地域に 関わる仕事をしたいっていう想いの中で、公務員だと自己利益とか抜きにしてでも“地域のために”っていうところで広い視野で地域に関わる仕事ができて、プ ライベートでも、自分の時間外の中で地域の人と一緒に地域活動に取り組んだり、その中で出会った人との繋がりとか経験も、仕事に生かせたり。仕事もプライ ベートでの活動も全部つながって、地域を良くすることできるなぁーって。それでいろんな業種を考えた中で、青森が好きだから県内で、かつ自治体の職員か なぁって思ったのがひとつ。
あと、公務員って、真面目とか堅苦しいって感じるかもしれないけど、中にはやる気があって、アツくて、地域を想って頑張ってる職員も いる。なかなか大半はそうじゃないって感じるのかもしれないけど、私はそういう公務員に対するマイナスなイメージがあっても、やっぱり「職員さんがんばっ てるね!」って思ってほしいからさ。そんな元気な職員が増えていくと、きっと地域も変わっていくと思うから。職場や同業者の仲間、そこでの信頼関係を大切 にしながら、自分が関わる地域や青森が元気になるためなら、まずは自分から、自分にできることを実践していきたい。
Writter
シラカワ ケンスケ
弘前大学3年
興味関心のある分野は、
地域教育、カフェ、写真
