佐々木 絵理さん
【大学ではどんなことを勉強されたんですか?】
専攻は経営法学っていう経営と法律を広く浅くやる学科だったんだけど、ゼミの中では地域に出るフィールドワークとかがけっこうあって。でも、たぶん私が地域の事に興味を持って、地域の事を仕事にしたいと思ったのは、大学の授業とかゼミのなかではなかったのかもしれない。
W といいますと?
うーん…なんだろうなぁ、なんかそう思えるようになるまでにいろいろ自分の中で葛藤もあって。私、高校時代とかって、普通に周りと同じように「高校卒業したら大学にいくだろ」って感じで大学進学を目指していたんだけど、勉強したけど落ちちゃって。周りに流されやすいタイプだったから、今考えるとめっちゃダメ人間だったよ!!(笑)ホントに超ダメ人間。あと、意志がなかったかな。やりたいこととかも特になかったし、楽しく生活していればよかった。
W てっきり当時から「やりたいことの塊」みたいな人だと思っていました。
(笑)今私はやりたいことがたくさんあるけど…そう思えるようになった、自分が変われた一番のきっかけは、大学に落ちたことだと思うんだよね、2回。
高校を卒業してストレートに大学に入れなかったことと…浪人して予備校に通っていたんだけど、勉強しなかったのよ実際(笑)とりあえず予備校に行けば大学入れるだろうと(笑)そういうイメージがあって授業後にめっちゃ遊んだりしてたし。そういう生活を繰り返して11月くらいになると「さすがにヤバい・・・」って思うじゃん。そこからすごい頑張ったんだけど、結局落ちちゃって。まあ当然のことなんだけど、そのことがものすごいショックっていうか。落ちたときに「あー、自分の人生終わったな」って、生まれて初めて思ったんだよね。親にお金かけてもらってたし、友達からも応援してもらっていたのに、合格できなかった。誰も口に出して責めたりはしないけどそういう雰囲気を感じていたし…。今考えれば大げさだけど、人生終わったって感覚をその時初めて味わったのが大きかった。で、入った大学っていうのも想像していた大学のイメージとはかけ離れていて。人も合わないし、環境も理想とはだいぶ違っていて、大学に入ったけど、はじめのころは常に「大学やめたいなー」って思ってたんだ。
でも、そのころ予備校で希望する大学に入った子は、やりたかったことを学べて、毎日が充実しているって言っていたの。それ聞いてめっちゃうらやましいと思うのと同時に、めっちゃ悔しい!!と思ったのね。結局当時の自分は全然努力もしていなかったし、周りに流されてダラダラやっていただけで。うまくいってる人って、自分の中の大きな目標のために、自分で決めたちっちゃい目標を達成することをコツコツ積み重ねてきたから今があるんだなあと思って。今までやらなかったのは自分が悪いし、周りや環境のせいして大学生活をダラダラ過ごすのはすごくもったいないなって思ったの。
だから、そこから考え方が変わって。初めのうちはやりたいことはなかったけど、それまで全く興味なかったボランティアに参加してみたりだとか、ゼミの活動に没頭したりだとか、とりあえず貪欲にいろんなことに挑戦してみようって思ったのね。そのなかで出会ったいろんな人に、漠然と興味があった地域の事とか話したりして、「自分はこういうことやりたいんです」とか。そのなかで色んな情報とかチャンスも集まってきて、それにどんどん参加していって、深めていって、具体的に自分のやりたいことが見つかっていった感じ。それに向かって大学4年間活動できたってのがあるかな。


青森県青森市出身。弘前中央高校卒業後、青森中央学院大学へ進学。
現在は弘前市役所職員として働く一方、休日などを利用してさまざまな地域に出向き、“地域と世代を繋ぐコーディネーター”を目指し日々勉強中。
「役所」のお堅いイメージを感じさせない佐々木さん
貪欲に地域と関わる日々の中
彼女が見据えるのは「つなぐ」ということ
【大学内よりも、大学外での活動に力をいれられていたんですか?】
そうだね。その方が大きかったかもしれない。大学生活の授業とか、友達、サークルだけじゃないところに自分の価値を見出していたのかもしれない。
W やりたいことが決まっているわけじゃないけどとりあえずいろいろやってみようと。
さ うん、初めの段階はね。
W いろいろ課外活動されていたっておっしゃってたんですけど、具体的にどんなことをされてたんですか。
そうだな~、行政のことに興味があったので、例えば大学2年生の時に、青森市で「自治基本条例」ってさ、行政と市民が一緒にまちをつくっていきましょうっ ていう基本的なルールを定めた条例を作ろうっていう動きがあって、それを作っていく上での委員会に学生として入って活動とかしてた。
W:へーすごい!
そのなかで行政とか町会の人とか、PTAの人とかいろんな主体の人と話しながら、私は学生の立場で感じたことを話して。かつ条例作るうえで、それを市民に ちゃんと周知しないといけないから、青森市内にある町内会に行って、キャリサポ(※)のメンバーとかも連れてって、「地域を良くするために自分たちがで きることは何か」、っていうテーマで、学生とか行政の人とか、あと地域の人とかと一緒にワークショップを開いたりしてました。これが楽しかった!
※ キャリサポとは高大連携キャリアサポートプログラムの略称。大学生ボランティアが県内の高校を会場に、高校生とワークショップを行う事業である。
Writter
シラカワ ケンスケ
弘前大学3年
興味関心のある分野は、
地域教育、カフェ、写真
