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りんご飴マンさん

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東京都出身。

都内で7年間の社会人生活を経て、2015年4月に東京の高円寺から青森県の弘前市に”お引越し”。自称「生キャラ」として、りんご飴の魅力を伝えるべく県内で行われている様々なイベントに参加して活躍している。好きな歌手は「CHAGE and ASKA」や「水曜日のカンパネラ」など。

 

Webサイト りんご飴[ringo-a.me]-泣く子が叫ぶ爆発りんご飴サイト http://ringo-a.me/

うーんどうだろうね、ここは俺が苦手な分野だってわかったことはよかったかな(笑)。そこはセンスないんだな、じゃあダメだな、別の分野にトライしようって。まあ、なんの意味も無いってのはなかったかな。

 

W:自分との相性がわかったんですね。

 

あと、「こっそりやる」に関連して最近思うのが、やっている自分をアピールし過ぎるのもどうなんだろうってこと。「やっている自分」を到達目標にしている人が結構いると思う。昔の僕がそうだったように。

 

W:というと?

 

さっき言った通り、僕は高校生の頃バンドを組んでいてとっても下手だったんです。下手なバンドって余計カッコ悪くみえるじゃないですか。でも、当時の僕は周りの目に気づかず、「ライブやってんの見たってやー!オレ達カッコいいっしょ!」って自分に酔っていました。相手に聴いてもらう事を目標にするんじゃなく、バンドをやっている自分をゴールにしていたんです。それって一歩離れた何も関係ない人から見れば、「何やってんだ、コイツ」ってなっていたと思うんですよ。

 

W:確かに…。

 

せっかくなにかをやろうと思っているのに、無駄に意識高い系だと捉えられるのはすごく勿体ないなって。やっている自分を発信するのではなくて、やっていることを発信してほしいなっていう

 

W:やっている自分に満足してはいけないんですね。

 

もし、学生さんの中にもそういうのに当てはまるものをやりたい人がいれば、こっそりやればいいし、それが一定のクオリティというか、自分として誇れるレベルになったときに具現化して表に出せばいい。

 

もちろん「やりたいことがあるけどバカにされるからやめよう」ってなっても、勇気を持ってやってみることが一番だとは思う。でも、それが出来ない人もいっぱいいるから。だったら、いかにバレずにやるかを考えて、やればいいんじゃないのって考えますね

W:飴マンさんの場合は、りんご飴マンであるということに満足してはいけないというか、活動することがゴールではなくてその先を考えるということなんですか。

 

そうだね。

 

W:それもやってみなきゃわかんないってことですか?

 

うん。やってみて、成功したらそれでいいし、失敗したら「じゃあ、あいつは何をやったから失敗だったのかな」ってことが他の人にわかればいいんじゃないかなと思う。例えば、川の岸から岸をジャンプするのが普通の人には無理だとしても、「飛び越えようとしてバシャッて落ちた飴マンに飛び乗っていけば行けるじゃん!」ってことになれば、それは無駄じゃないよね。うっわ、また変な例え話しちゃった。

 

失敗をある意味上手いこと嘲笑ってさ、「あいつは失敗したけど、じゃあ俺はこうすれば出来るな」的なことを発想してもらって、次の成功を導く何かになればいいんじゃないのって思います。

 

W:すごい…ポジティブですね。

 

いや、僕はネガティブですよ。でも、やらかしたことは取り返しがつかないし、それをずっと気にしていても何もできないので、隠すくらいだったら、笑い話になっても別にいいかなと。しょうがないことだから、話のネタにでもなればそれはそれでいいんじゃないって思いますね。

 

W:ありがとうございました。

W:最後にうかがいたいのですが、やりたい事、言いたい事があっても踏みとどまっている学生に対してアドバイスはありますか?

 

まず、そもそもやりたい事や言いたい事があるってことはすごく恵まれていると思うから、それをまず認識することだよね。

 

W:なぜ恵まれていると思うんですか?

 

学生時代から、本心として言えるのであればそれってすごいと思うから。それは誇るべきだし、やるべき。僕がそうだったように持っていない人の方が多いから。それをやることによって笑われそうになるのであれば、こっそりやりなさいと思う

 

W:こっそりやりなさい?

 

要は誰にもやっていることを言わずにやりなさいってことです。たとえば習い事をやりたいけどバカにされるのが嫌だと思うなら、違った街の外れの方に通って、そこでなんとかすればバレないんじゃない?と思う。

 

W:ちなみに、今までにバレずに何かやろうと思ったことはあったんですか。

 

あります。まあ結局挫折したけどね。アルパっていう楽器。

 

W:なんですかそれ?

 

ギリシャ神話とかに出てくるハープってありますよね。それのちっちゃいやつ。テレビかなんかで見ていいなって思ったから15万円位するやつを買って、家から1時間くらい離れている教室に通っていたの。でも一向にうまくならないし、センスがないなって思ったからあきらめた、とかね。こっそりやるのはありだと思うんだよね。

笑われるのが嫌なら、こっそりやりなさい

W:りんご飴マンとしての最終的な目標はあるんですか?

 

ないない、そんなの今は無いです。一応「関係のない人が関係のない事を応援する文化を作りたい」って気持ちはあるんですが、具体的になにをするのかはまだ定まっていないね。結局、人の役にたてる事、人々に本当に求められている事とかを自分の中でジャッジをして何かをやるって感じになると思います。

 

例えば、学生の頃友達から「この曲すげーいいから聴いてみ!」って言われて、聴いてみたらすごく良かった!みたいな経験って誰しもあると思うんですよ。そういう広告とかではない、「なんかいいな」って思ったものを伝えて、「なんか良くなった」からファンになっちゃったみたいな文化が地方に出てくると、また違うムーブメントが起きるんじゃないかなと考えていますね。

 

つい最近も、僕が何気なく撮ってSNSに投稿した弘前公園の写真が、ニュースサイトに載って8000リツイートくらいされたんですよ。意味が分からないじゃないですか。普通にスマートフォンで撮った写真で、ものすごく良い機材で撮ったわけでもないし。

 

W:そうだったんですか!? すごくきれいでした。

そうそう。あれ、本当に肉眼で見たのと変わらないんだよ。でも、県外の人からすれば「こんな所あるんだ!」ってなったり、地元の人も地域の魅力を再発見したりするキッカケになってさ。ネットが発達した今の時代、発想やエリアひとつでいくらでも何かの役に立てるから「なんかいいな」ってことを広めやすいと思うんですよね。

 

例えば、僕は生まれも育ちも東京だけど、なんとなく弘前に来て、好きになったんです。そんな僕が、弘前のことを話していたら「なんか弘前いいな」って思ってくれる人が出てきてくれて「なんかファンになっちゃった」みたいな、そういう雰囲気が出来たらいいんじゃないの?って思っています。

 

W:青森には、まだそういう雰囲気はないと思いますか?

 

青森だけと言うよりは、全国的にないですよね。「すごく良いところだよ!来てくれ!」っていうのはみんながやっているけど、関係のない人が何故か知らないけど応援しているとか、ステマ(※3)だなんだって言われる時代だから、何をやるにも理由が求められるような時代になっている。でも、良いものを語るのに理由なんていらないと思います。だから僕はなんとなくでもここにいるし。

 

(※3)ステルスマーケティングの略。相手に宣伝だと悟られないように、宣伝行為をすること。

W:楽しかったですか、弘前に来てから。

 

いやぁ、超楽しいね

 

W:良かった~!嬉しい!

 

じゃない?そういう風にさ、地元の人が地元を褒めてもらって喜びを感じること自体が東京だとない訳ですよ。別に、東京へ遊びに行った人から「超楽しかった!」とか言われても、僕からしたら「はーん」って感じで。

 

W:自分と関係ないみたいな。

 

うん。東京って地元だけどふるさとじゃないなって。人がいっぱいいるし、極端に言えば別に僕が居ても居なくても関係ない街だなあって。それがなんか寂しくもあり、なんだろうね、東京って所なんだろうなって思うけどね。あ、もちろん東京は好きですよ(笑)

 

W:弘前だとりんご飴マンさんを知って、「ありがとう」と言ってくれる人や、「来てよ」って言ってくれる人が大勢いますよね。

 

あ、いますね。僕がここに居ることで、ちょっと弘前に行ってみたくなったって言ってくれる人も、ありがたいながら居るし。うれしいですよね。

「弘前公園入ったら魔界だった」byりんご飴マン

帰り際に彼はこんなことを言った。

真面目な事を真面目に伝えても、伝わるのは一握りで、ふざけて真面目な事を伝えた方が圧倒的に人は聞いてくれるからさ。」

その一言を聞いて、彼が飴マンをやり続ける理由がなんとなくわかった気がした。もしかしたら、私たちはりんご飴マンをすこし誤解していたのかもしれない…。

 
      (ニヤッ)
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、考えすぎかも・・・。
  『コンコン』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  「ん?」
 
 
 
 
 
 
 
 

4章 これからのりんご飴マン

 

理由のない「なんかいいな」を伝えていく

W:アルパをこっそりやってよかったなってことはありますか。15万円かかっても。

はじまりこそ散々だったが、意外にもりんご飴マンは誠実で朴訥な男性だった。淡々とした口調で「人の喜ぶ顔が見たい」と語る姿に、今まで私たちが抱いていた飴マンのふざけた印象は微塵も感じられない。

函館で青森のりんごを

物々交換してきちゃいました。

理由のない
笑われるのがいやなら、こっそりやりなさい

Writer

キタムラ マサト

 

青森公立大学4年

作業服とアロハシャツが好き

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